私は、Commerce Containerで主モールの販促コンサルタントを行っています。以前は、楽天市場でメーカー向けの販促コンサルタントをしていました。
メーカー向けコンサルタントとは、メーカーのデジタルコマースの加速を支援する組織です。出店、非出店に関わらず売上拡大を一緒に取り組み、モール内ブランディングから販促施策までのコンサルタントを行います。
※一般的には店舗の販促コンサルタントのECCが有名ですよね。AIOは領域がECCより広く、メーカーのKGIに合わせてIDを利用したマーケティング活動から売上拡大まで行います。
メーカー・ブランド担当者の方とお話していると、公式店を出店するにも体制を整える事が大変、Amazonには出品しているんだけど、リソースの観点で楽天やヤフーでの展開を検討しているというお声も多かったです。また出店をしても、普段販売してくれている店舗と戦う事になるのでは、価格競争に陥りたくない等のお声も多く、そもそも出店しないと何もできないのではないか?というご相談を頂く事が多かったので今回は「非出店でも出来る事」「楽天24などの既に自社商品(自社ブランド)の商品を仕入れてる店舗」の販促支援についてお話させて頂きます。
上記をお話する上で、上記にあるように2022年9月14日に楽天グループの私が以前所属していた組織AIO(アカウントイノベーションオフィス)というメーカーコンサルタントの方とセミナーを行いましたので、そのセミナー内容からピックアップしてご紹介したいと思います。
楽天市場の販路整理
まずは楽天市場の販路整理をさせて頂きます。以下図のように、「出店するか」「非出店か(出店していないが各店舗で売上が立っている状況)」かの大きく2パターンになります。非出店の場合は、楽天市場が運営している楽天24などのRakutenDirectで展開しているケースが多いのではないでしょうか。また卸を通じて、各店舗でも販売が行われているケースがあるかと存じます。
■楽天での展開パターン
楽天市場の出店メリット・出店デメリット
出店の場合の楽天市場のメリットは、Amazonと比較してブランドや店舗の色を表現しやすく、Yahoo!ショッピングより店舗内回遊がしやすい点があります。店舗やブランドのファンを作りやすい構造です。セール等のイベント時に新規を獲得しつつ、CRM施策でリピート率を高めていくと売上が拡大しやすい構造です。
ただ先程も展開したように、出品して終わりではないので、体制構築などリソース面の課題があります。出店審査も長い。。。またメーカーの立場であれば、他店舗とのバランスを気にする必要があります。
※メーカーの公式店でのKGIの考え方はまた別の機会にお話します。
それでは非出店の場合は何が出来るのか?お話させて頂きます。
一番実施しやすい非出店で出来ることをご紹介
楽天公式店でもまず第一に実施する広告として、RPPという検索広告があります。「検索を制するものはECを制す」といわれるかと思いますが、楽天市場でも検索結果の1位~5位が約半数のクリック数を占めます。
その為、ポイント施策や柱商品を使う販促施策以外で、アクセス数拡大の為にRPP(検索)広告を店舗でも導入されるケースが多いのですが、実はメーカーも出店していなくても、検索広告の入札に加わる事が出来ます。その仕組みが、Sales Expansion(セールスエクスパンション ※SE 呼び名としえは、エスイー)になります。
SalesExpansion(SE)は、メーカーが各店舗の販促支援を行う事が可能です。対象JANを指定して入札を強化すると、入札に勝つと店舗の商品が上位に上がる仕組みです。楽天24などの店舗支援も行う事が出来るので、売上拡大に結び付きやすい施策です。
■SalesExpansionのイメージ図
自社の商品を店舗が売上強化品とならないケースもあります。その際に販促強化の仕組みとしてSales Expansionからスタートしてみるのはいかがでしょうか?
最後に、モール内の自社売上の可視化や各店舗の売上を知りたい場合
ご相談頂く事項として、楽天を強化したいけど何から手をつけていいのかわからない。といったご相談をお受けすることも多いです。その際は、市場分析をしてその後の戦略をご一緒に考えていく事も可能です。
市場分析をして、ターゲットジャンルの規模感の把握、メーカーランキング、売れ筋商品の把握、売れ筋店舗の把握、自社商品の店舗ランキング等を把握することが可能です。見える化して実際に何を実施していくのか、「出店するのか」「やはりAmazonを強化するのか」「非出店で出来る事をチャレンジするのか」が見えてくるかと思います。
公式店など店舗を運営するにしても、非出店のままモール全体の売上を拡大していくにしても、何を一番大事に考えて実行していくか?が重要です。迷われた場合、市場を見える化して一緒に戦略を考えるところからスタートしましょう。
■お問合せフォーム
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